技術コラム
産業機械用スリーブ加工におけるポイント
産業機械用スリーブ加工におけるポイント
産業機械用スリーブは、シャフトやスピンドルなどの軸物を保護する目的で使用される部品です。スリーブの特性上、耐摩耗性が要求されるため、SCM材やS45Cの材質が採用されます。
産業機械用スリーブ加工のポイントは、下記2つです。
- 寸法精度：他の部品との適合や組み立て時の一体感を確保するために、正確な寸法管理が求められますので産業機械用スリーブの内径や外径、長さなどの寸法精度は非常に重要です。
- 同軸度：産業機械用スリーブは軸物を保護する目的で使用されるため、同軸度が必要です。産業機械用スリーブを深穴加工する際、工具の突き出しが長くなってしまうので、たわみ、びびりによって高精度を出す事が難しいです。
- 表面仕上げ：産業機械用スリーブの使用目的に応じて、内面または外面の表面仕上げが重要です。例えば、産業機械用スリーブが摩擦部品として使用される場合、摩耗や摩擦抵抗を抑えるために、適切な表面処理やコーティングが必要です。
「BTA・ガンドリル加工.com」によるスリーブ加工
「BTA・ガンドリル加工.com」は、
- 加工能力Φ1,200×15,000の超大型NC旋盤、加工能力Φ490×5,000の大型NC旋盤
- 加工能力600✕13,000、Φ33～265のBTA加工機
- 加工能力1,290✕2,200、Φ4～32、L1,500のガンドリルマシン
といった、自社開発機を含むNC長尺旋盤・BTA加工機・ガンドリル加工機を複数台保有しております。
「BTA・ガンドリル加工.com」では上記のように設備が充実しているため、様々な仕様にも柔軟で最適な提案が出来る体制が整っております。更にシャフト、スピンドル、スリーブなどの長尺で深穴加工が必要な製品の実績が多数ございます。深穴加工において問題になりやすい同軸度や寸法精度を出すノウハウももっております。
産業機械用スリーブ加工の事例・実績
①包装機器用のスリーブ
材質はS45C、外径φ210mm、長さ1876mmの素材にφ125の穴をBTA加工機にて貫通加工しました。
この案件は本来は長さ310mmの製品ですが、数が多くあったので、長尺の状態で加工し、その後切断して正規寸法にして納品しております。このようにすることで、加工機への素材の着脱回数を減らし、工数削減をすることでコストダウンにつなげております。
②搬送装置設備のスリーブ
材質はS25C、外径φ270、長さ836mmの素材にφ130の穴をBTA加工機にて貫通加工を実施しました。
S25Cは機械構造用炭素鋼とJISでは規定されています。使用用途は幅広く、機械部品にも多く使用されています。炭素量が約0.25%程度と低いため、熱処理による硬化は得られません。そのため熱処理は行わず、いわゆる「生材」の状態で加工し使用されることが多いです。市場流通量も多く、比較的入手は容易です。
③製鉄所設備のスリーブ
製鉄所設備に使用されるスリーブ部品です。材質はSCM415、外形φ570、長さ1400mmの素材に旋盤にて外形の荒加工後、φ250の穴をBTA加工機にて貫通加工を実施しました。
製鉄所の設備には大小様々な部品がありますが、この事例は比較的大きな部品になります。
④運搬機械のスリーブ
材質はS45C、外径φ170、長さ500mmの素材にφ45の穴をBTA加工機にて貫通加工を実施しました。
この案件はお客様にてトラブルがあったらしく、超特急での納品をご希望された案件です。BTA・ガンドリル加工.COMでは標準リードタイムは1週間を頂戴しておりますが、この案件ではご注文頂いた翌日に当社工場を出荷し、次の日には納品を完了しました。
産業機械用スリーブ加工に関するよくある質問
Q.片側貫通は可能ですか？
A.基本的には両側貫通にて加工しておりますが孔径と長さによっては、片側貫通可能でございます。 詳細はお問い合わせにてご確認ください。
Q.どこまでの長さが加工可能ですか？
A.自動見積では2000mmまでですが、それ以上もケースによっては加工可能です。 詳しくは、お問い合わせください。
Q.孔径、孔の曲がりの公差はいくつ程度ですか？
A.孔径：±0.2～0.3程度 孔の曲がり：1mにつき1mm程度 ですが、小径の場合は曲がりが大きくなる場合があるため、別途お問い合わせにてご確認ください。
Q.加工面の面粗度はいくつ程度ですか？
A.標準では、Ra=25にて対応しております。
産業機械用スリーブ加工なら、「BTA・ガンドリル.com」にお任せ下さい！
今回は産業機械用スリーブ加工について解説しました。
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